韓国Kリーグ水原三星の元日本代表FW高原直泰(31)の来季清水入りが21日、決定的になった。水面下での交渉は、最終局面に入り、細かい条件面の調整が終わり次第、正式契約のサインを交わす。清水側からの厳しい条件提示を、高原はおとこ気を出して受け入れた。提示された年俸2500万円は、浦和時代の1億6000万円(金額は推定)を大きく下回る。

 高原は地元・静岡でプレーできることに加え、同級生で親友の清水MF小野との競演に大きな価値を見いだした。クラブ側も地元スターに誠意を示した。清水東高の先輩でもある望月強化育成本部長を中心に、粘り強く交渉してきた。

 日本代表の絶対的ストライカーとして君臨した高原は、08年にブンデスリーガのフランクフルトから浦和に移籍後、苦悩の日々が続いた。目立った活躍もなく、出場機会は激減。事実上の戦力外通告を受け、今年7月に韓国Kリーグ移籍を決断した。

 復活を誓い乗り込んだKリーグでは試合出場を重ね、リーグ通算4得点をマーク。失われていた試合勘もよみがえった。清水のクラブ関係者も「もともとの潜在能力は十分。韓国でのプレーもDVDでチェックしたけどまだまだ十分やれる」と、戦力として高く評価。世界3カ国を渡り歩いた高原が、ついに“原点の地”に戻ってくる。