<富士ゼロックススーパー杯:名古屋1-1(PK3-1)鹿島>◇26日◇日産ス

 名古屋が鹿島を下し、15年ぶり2度目の優勝を飾った。1-1の同点からのPK戦で、元日本代表GK楢崎正剛(34)が好セーブを連発。鹿島DFアレックスのPKを両手でキャッチするなど、4本中3本を止め3-1で、チームに今季初タイトルをもたらした。2連覇を狙う名古屋は、3月5日開幕する今シーズンへ、最高のスタートを切った。

 楢崎はPK戦で3人目アレックスのキックに反応し、左に横っ跳びしてボールを両手でつかんだ。PKでシュートをキャッチするのは、それだけ動きがきれている証拠。「たまたまです。取ろうと思って取ったわけではない。PKはおまけです。おまけにしてはデカい結果ですけどね」。楢崎の反応の良さ、コンディションの高さがPK勝利を決定づけた。

 1人目の岩政は、技ありの右足ではじき飛ばし、4人目新井場もパンチングで防いだ。予感はあった。前日のPK練習では正面に飛んだ闘莉王のキックを両手でキャッチし、イメージを膨らませていた。

 試合前のロッカールームで「この(鹿島戦連敗の)流れを変えろ!」とゲキを飛ばしたストイコビッチ監督も「どんな勝ち方でもいい気分。楢崎は日本の中でもベストGK。クオリティーも自信も持っている。(3本止めたことは)とても素晴らしいことだ」と喜んだ。日本代表は昨年限りで退いたが、指揮官の信頼は変わらなかった。

 今後は3月1日ACL初戦の杭州(中国)戦に遠征し、同5日には横浜とのJリーグ開幕戦(豊田ス)を迎える。過密日程からのスタートになるが、楢崎は「今年も名古屋は簡単じゃないと思わせられるプレーを見せられた」と満足げ。チームの目標である史上初のリーグとACLのW制覇へ、可能性を感じさせる1歩をしるした。【福岡吉央】