良性発作性頭位めまい症のため休養していた、なでしこジャパンのMF沢穂希(33=INAC神戸)が14日、神戸市内で10日ぶりに練習を再開した。初めて自身の肉声で症状を説明したが完治にはほど遠い状態で、4月の代表戦も欠場する可能性が高くなった。

 この日は、今日15日に行われるINAC神戸-高陽大教の日韓女子リーグ・チャンピオンシップの前日公開練習だった。沢は「今も本調子ではない。下を向いたり左を向いて寝っ転がると(頭が)グルグル回ります」。全体練習には加わらず、ピッチ外を約15分、歩行練習しただけだった。

 「明日の試合はちょっと厳しいんで、応援の方に回ります。復帰に関しては体調と相談しないと分からない」。チームは16日から米・スカイブルーFCとの親善試合などを行うため鹿児島、沖縄にキャンプを兼ねて遠征。その後、代表として4月1日の親善試合米国戦(ユアスタ)、5日の同ブラジル戦(ホームズ)が控えるが、現状では出場は厳しい。

 「当分ヘディングはできるかは分からない。そういう外傷(衝撃)で(めまいに)なる人もいるってお聞きしましたし、何とも言えない」。再発の怖さもあり、沢に笑顔はなかった。【土谷美樹】