<プレナスなでしこリーグ杯>◇第5節◇25日◇NDスタ

 INAC神戸が浦和を3-1で下し、A組1位でなでしこリーグ杯準決勝進出を決めた。ロンドン五輪で銀メダルを獲得したMF沢穂希(33)ら主力組が帰国後初の公式戦で復帰。FW川澄奈穂美(26)が全3得点に絡む活躍をみせた。試合後は1万2000人を超える観客がINAC神戸の山形凱旋(がいせん)を大歓声で歓迎し、大フィーバーとなった。また日テレは岡山湯郷に6-1で圧勝し、B組1位で準決勝に駒を進めた。準決勝は9月2日に浦和駒場スタジアムで行われる。

 NDスタがなでしこ劇場と化した。INAC神戸がホームゲームとして行った山形での一戦。試合後、観客の約3分の2が居残って拍手を送り、選手たちがグラウンドを1周してサイン入りのミニボールを投げ込むと、スタンドから黄色い歓声が飛び交った。

 川澄

 1万人はいくかと思っていたけど、(観客数を知らせる)アナウンスを聞いて楽しくできた。W杯の後の時は、自分たちを知らなかった人たちが見に来てくれている感じがしたけど、ここまでくると、ある程度サッカーが好きな人が見に来てくれている。子供も多くてうれしかった。

 来場した観客はJ2山形の今季最多をも上回る1万2230人。INAC神戸のホームゲームとしても今季最多となり、なでしこリーグ杯での最多観客数も更新した。この日、県内では毎年数十万人の観光客が訪れる新庄まつりが行われていたが、NDスタに集まった観客の熱気も負けてはいなかった。

 なでしこジャパンの主力組にとって、8月9日のロンドン五輪決勝戦以来、約2週間ぶりの試合だった。それでもFW川澄は3得点に絡む活躍。MF沢、FW大野はともに45分ずつの出場だったが、沢は攻撃的MFの位置から果敢にゴールを狙い、大野も3点目の起点となった。沢は「なかなか地方では機会がないけど、女子サッカーの良さを出せたかな」と笑顔で振り返り、あらためてリーグ戦、カップ戦、全日本女子選手権の3冠制覇を誓った。

 金メダルこそ逃したが、五輪が終わってもなでしこフィーバーはまだまだ健在。そしてINAC神戸はまずはクラブ史上初のなでしこリーグ杯を制し、年末まで無敗で突っ走る。【福岡吉央】

 ◆なでしこリーグ杯

 予選リーグは10チームを2組に分け、1回戦総当たりで行い、各組上位2チームが準決勝に進出。予選リーグは8月26日まで。準決勝2試合は9月2日(浦和駒場スタジアム)、決勝は同9日午後4時30分からNACK5スタジアム大宮で開催する。

 ◆最多入場者

 25日に山形・NDスタで開催されたINAC神戸-浦和戦で、なでしこリーグ杯最多入場者1万2230人を記録。これまでの最多入場者は18日に新潟・東北電スで行われた新潟-INAC神戸の9057人だった。