日本サッカー界のスターたちが、仙台の空を彩る。日本代表の海外組やJ選抜らが、12月26日にユアスタでチャリティーマッチを計画していることが22日、分かった。今月中に正式発表される。選手会の強い希望により実現するもので、Jリーグも賛同した。同時期、リーグ戦が中断しないプレミア勢以外の欧州組がほとんど出場する予定で、Jでは天皇杯準決勝進出チーム以外の選手やJ2横浜FCのFW三浦知良(カズ=45)らも参戦し、復興支援の継続をアピールする。

 日本代表の面々が、クリスマスの翌日、仙台に集まる。それぞれ、胸に秘めた思いは同じで、復興支援の継続と、サッカーを通じて被災者を勇気づけることだ。昨年3月11日の大震災から1年半。各方面から被災地への支援が途絶えることはないが、最も大事なのは、今後も続けていくこと。日本サッカー界のスターたちが、被災地で日本全土に強烈なメッセージを発信する。

 今回は海外組のほとんどが参加する予定で、昨年3月29日の復興支援マッチ・ザックジャパン対J選抜(長居)以来の華麗な面々がそろう。すでにほとんどの欧州組が参加意思を伝えており、Jリーガーも天皇杯準決勝進出チーム以外から選出されたメンバーが集まる。プレミアリーグは冬の中断期間を設けないため、マンチェスターUのMF香川真司、サウサンプトンDF吉田麻也らは参加できないが、会場にビデオメッセージを流すことも計画している。

 昨年は選手会主導で、慈善試合を行ったが、海外組の参加者は数人にとどまった。しかし選手会関係者によると「今回は、欧州組がかなり積極的に参加を希望している。夏にJが企画したチャリティーマッチに、クラブの都合で欧州組が参加できなくて、今回は絶対参加するとの言葉を多数聞いている」という。さらに今回は、Jリーグの全面協力を得て、選手会とJが一体となって、開催を実現させる。

 Jからは、J1だけでなく、J2も有力選手が集まる予定で、フットサル日本代表にも選出され、11月タイで行われるW杯に出場するカズも参加する予定だ。実際、被災したJリーグ仙台や鹿島、J2水戸、さらに被災地出身のJリーガーも出場する。

 1日限りの球宴で終わらせない。チャリティーマッチ翌日の27日から欧州組ら参加選手は、被災地に訪れ、子供たちとボールを蹴るなど、楽しいひとときを過ごす。サッカースクールも数回予定している。サッカーボールを持った数日遅れのサンタが、被災地には勇気と希望を、他の地域には復興支援の継続を呼び掛ける。