東海1部リーグの浜松大学サッカー部の監督に沢登正朗氏(43)が就任することになり29日、浜松市内のホテルで会見を行った。沢登監督は、コーチに就任する山西尊裕氏(36)ら関係者と共に登壇。「日本一のチームを作っていける」と宣言した。指導者1年目の抱負を語った。

 沢登新監督は、浜松大のユニホームカラーと同じ黒のスーツ姿に黄色のネクタイを締めて登壇した。引き締まった表情で決意を口にした。「プロと実力は違うけど、理想はバルセロナ。攻守でバランスの取れたチームを作っていきたい。それができれば日本一も可能だと思っている」。

 過去、浜松大の監督は今季G大阪の監督に就任した長谷川健太氏(47)らが務めた。沢登監督は、05年に14年間プレーした清水を引退後「自分はグラウンドで生き生きするタイプ。常にいつかは戻りたいと思ってきた」と話しており、現場への強い思いからオファーを快諾した。

 現在行っているテレビ解説などの仕事は今後も続けていく方針。多忙な日々は続くが、万全の態勢でプロでの経験を還元していく。コーチには現役時代J1磐田などで活躍した山西氏を招き、今後も2人のコーチを呼ぶ予定。沢登監督は「さまざまな窮地で戦ってきたメンタル面を伝えたい。技術面では、山(西)も、自分もまだ体が動くので実際に選手とプレーしながら指導していきたい」。今も1日5~6キロのランニングを週4日は欠かさない。始動日は未定で正式な就任は4月1日だが、2月からグラウンドに足を運び早速指導を開始する。

 同大は4月から学園内の3大学を常葉大学として統合。浜松大サッカー部の名称も来季から常葉大浜松キャンパスサッカー部に変更される。沢登監督は「いずれはJ、そして日本代表の監督もと思っている。そのためにも結果を残して、常葉大学からプロで活躍できる選手を育てたい」。現役引退から約7年。新たなキャリアが、新生・常葉大からスタートする。【前田和哉】

 ◆沢登正朗(さわのぼり・まさあき)1970年(昭45)1月12日、富士宮市生まれ。東海大一(現・東海大翔洋)2年時に全国選手権優勝。3年時は同大会準優勝した。東海大を経て92年に清水に入団し93年Jリーグ初代新人王を獲得。その後も主将として96年にナビスコ杯優勝に導くなど「ミスターエスパルス」と称され、多くのファンに愛された。J通算381試合85得点。家族は妻と2女。