<J1:新潟3-0福岡>◇第1節◇5日◇レベスタ

 5季ぶりにJ1復帰の福岡が、厳しい現実を突きつけられた。ホーム(レベスタ)での開幕戦で新潟に0-3完敗。磐田から新加入のMF成岡翔(26)が冷静さを失い「人生初」という退場処分になるなど、想定以上の力の差を見せつけられた。

 5季ぶりに帰ってきた舞台は、甘くなかった。篠田善之監督(39)が「絶対に勝つ」と位置付けた重要なホーム開幕戦。前半こそ0-0も、後半7分に一瞬の隙を突かれて先制を許すと崩壊した。0-3の惨敗。篠田監督は「本当に残念。立て直しがうまくいかず、ずるずるといってしまった」と硬い表情で言った。

 資金難で補強は進まず、他のJ1クラブに比べて戦力的に劣る。篠田監督は、それを「組織」で補おうと取り組んできた。特に新潟の前線は高さ、スピードともある。前日練習を異例の非公開にしてまで熟成を図ったが、結果的に想定を超える相手の強さだった。

 「想定外」は、選手にも混乱を生んだ。今季から新加入のMF成岡が後半35分、相手の背後から足を引っかけ、2度目の警告でレッドカードを食らった。「行くべきじゃないところで行った。冷静さをなくした」と振り返る。成岡にとって、初めての退場処分。平常心を失ってしまうほど、押し込まれていた。

 篠田監督は「(J1は)個人の技術が高くて質が高い。決定機がつくれる選手がどのチームにもいる。攻守の切り替えが速い。J2とはそこが違う」。開幕前、優勝候補ではなく、降格の最有力候補という声が多いことを受け止めていた。その上で「プレッシャーより楽しみ」とチームの可能性を信じていた。しかし、現実は完敗。主将のMF中町は「しっかり切り替えないと」と声を振り絞った。

 厳しい現実を突きつけられたが、長いシーズンは始まったばかりだ。次節もホームで、同じ昇格組の甲府を迎え撃つ。ここが、最初の正念場だ。篠田監督がキーマンに指名した成岡は出場停止となるが、同じく磐田から新加入のMF松浦から得点チャンスを生み出したのは明るい材料となる。MF中町も「左サイドはチャンスメークできた。だが連係はもっと詰めないと」と課題を明確に掲げた。

 「前半はいい時間帯があった。0-3の結果は残念だが、めちゃくちゃにやられてない。簡単ではないが、やれる感じは受けている」と指揮官は強気に言った。いきなり荒波に衝撃を受けたJ1の航海。順風に進むために立て直しを図る。