川崎Fが、23日のリーグ再開試合で対戦する仙台のサポーターに向けた特別試合を企画していることが8日、分かった。試合開始までの時間を使い、ホームスタジアムの等々力競技場で、仙台と川崎Fの両クラブOBの混成チームと、芸能人チームが対戦する異色の試合を開催する。被災した地元を離れ、アウェーに駆けつけたサポーターに、つかの間の時間を楽しんでもらおうと企画された。今後も各クラブが、さまざまな形で仙台戦を盛り上げていくことになりそうだ。

 23日のリーグ戦、川崎F対仙台戦は、午後2時キックオフ。特別試合は、それに先立つ午前10時に開始する。対戦するのは、川崎Fと仙台のOB混成チームと、サッカー好きの芸能人で構成するチーム。仙台OBは、元日本代表MFで同クラブ親善大使も務めた岩本輝雄氏(38)と、生え抜きで15年間在籍し「ミスター・ベガルタ」と呼ばれ昨季引退した千葉直樹氏(33)が駆けつけ、川崎FのOBは中西哲生氏(41)らが集まる。芸能人チームは、川崎FのOBや選手と親交のある歌手やタレントらを中心に調整を進めている。

 日本サッカー界は、先月29日に、日本代表とJリーグ選抜が対戦した慈善試合を開催し、横浜FCのFWカズが感動的なゴールを決めるなど、スポーツの持つ力を再認識させた。Jリーグの各クラブも、積極的に募金活動を展開し、被災地に少しでも力になろうと尽力している。

 東日本大震災でリーグ戦は休止となり、23日に再開となる。再開戦で仙台と対戦する川崎Fもこれまで街頭募金などを続けている。今回の特別試合は、仙台を応援するために被災した地元を離れてアウェーに駆けつけるサポーターに、サッカーを愛する仲間として少しでも喜んでもらおうと企画された。

 仙台の選手、スタッフたちは震災後、ボランティア活動などにも取り組み、地元で満足な練習はできなかった。千葉、埼玉などを転々としながら、再開戦を迎えることになる。川崎Fはプロとして、全力で仙台と戦うことを表明しているが、クラブとしては、仲間の苦境を思いやり、復興への助力を惜しまない。今後も仙台と対戦する各クラブが、さまざまな形で支援の手を差し伸べていく可能性は十分ありそうだ。