<J2:札幌1-0大分>◇第15節◇4日◇大銀ド

 初の連勝だ!

 J2札幌が大分を破り、昨年3月28日の岡山戦以来、433日ぶりの連勝を飾った。FW近藤祐介(26)が前半12分に2戦連発となる先制ゴールを決め、その1点をチーム一丸で守り抜いた。敵地勝利は昨年10月24日の富山戦以来8試合ぶり。石崎監督の札幌100試合、チームのJ2通算400試合を白星で飾り、9位に浮上した。

 思い切り振り抜いた。前半12分、左サイドでボールを受けた近藤がワントラップして迷わずシュートを放った。「思いきり打てば、中で誰かが詰めてくれるかもしれないと思った」。微妙に変化したボールはGK清水の左脇の下を抜けるラッキーな決勝弾となった。

 07年神戸時代以来4年ぶりの2戦連発。この日の朝、最愛の長女祐恵愛ちゃん(1)から写メールが届いた。観戦にきたホーム3試合は全勝。電波に乗ってきた“勝利の女神”は敵地でも効果を発揮した。石崎監督も「近藤が決めると波に乗る。ミスもあったが、いい得点だった」と喜んだ。

 敵地1勝はチームとしても大きな一歩だ。普段は内容を重要視する石崎監督が、この日の試合前は「内容より結果だ」と異例のゲキを飛ばした。選手も必死だった。鳥栖戦で完敗後、主将の河合、選手会長砂川、攻撃の軸の高木純がチームの戦い方について話し合った。意見は同じ。「五分の可能性なら体を投げうって奪いにいけ」。この日の試合中は河合がMF古田の甘い守備に激怒した。勝利に向け全員の熱い思いが1つになって、完封での敵地1勝につながった。【永野高輔】