<J1:神戸1-1仙台>◇第14節◇11日◇ホームズ

 区切りの10戦負けなしだ!

 仙台が神戸と引き分けた。リーグ戦初先発したMF松下年宏と、FW赤嶺慎吾(ともに27)の「鹿児島実高コンビ」が爆発。前半21分、松下の左クロスを赤嶺がダイビングヘッドで合わせ先制点を奪った。だが、後半44分に同点弾を許し、またしても勝ちきれなかった。

 「鹿実コンビ」のテレパシークロスで、先制点をもぎ取った。前半21分、左サイドで松下が持つと、中央ではゴール前へ赤嶺が突進。中には赤嶺1人だけだったが、松下はためらいなく左足で高速クロスを上げる。DFに激しいブロックを受けながらも、旧友の愛のあるクロスにダイビングヘッド。ニアサイドでピタリと合ったボールは、右サイドネットを揺らした。

 鹿児島実時代の同級生。松下はボランチ、赤嶺はFWだった。沖縄出身の赤嶺は監督の家に下宿。実家から通っていた松下は、たまには息抜きをさせてあげたいと、赤嶺らを自宅に招き、母の手料理を振る舞った。時には近所の原良温泉で裸の付き合いもした。「クロスを上げたら、そこに入ってくれるんですよね」と松下が言えば、赤嶺も「どこにパスを出すか、なんとなく分かりますよ」と、まさにテレパシークロスだった。

 東日本大震災からちょうど3カ月が経過した日、超ハードスケジュールをものともせず日本代表MF関口訓充(25)、北朝鮮代表MF梁勇基(29)が先発出場し、挑んだ。26日まで、中2、3日で行われる体力的に厳しい5連戦の初戦。それでも、いまだ苦しむ被災者に比べたらと、強行出場した。

 だがまたしても試合終了間際に失点。守備陣の足が完全に止まった後半44分、神戸DF茂木が左サイドから3人をかわし、ゴール右隅へ同点弾。開幕からの公式戦10戦無敗を勝利で飾れなかった。【三須一紀】