19日に第1子が生まれたばかりの仙台MF梁勇基(29)が今日22日の甲府戦でJ1、2通算300試合出場に到達する。21日は仙台市泉サッカー場で最終調整。15日間で5戦をこなす過密日程の4戦目。その合間を縫って地元大阪に戻り、息子の誕生に約9時間付き添った。「疲れはある」と認める中、自身の節目300試合と愛息にささげる今季初ゴールを狙う。

 04年4月11日、プロ初出場したJ2鳥栖戦から2628日。長い道のりを歩んできた梁が今日22日の甲府戦でリーグ戦300試合出場を達成する。それを祝うかのように19日、第1子の長男が誕生した。

 15日間で5戦を戦うハードスケジュールの中、長男は父が立ち会える数少ない休日を誕生日に選んだ。梁は19日午前10時に仙台を出発。大阪の病院には正午すぎに到着した。約9時間、分娩(ぶんべん)室で妻を支え同日午後10時26分、無事3476グラムの長男が誕生した。少し涙を流し、約17時間の陣痛に耐え抜いた妻をねぎらった。

 梁

 試合は自分で動いてできるけど、こればっかりはね。自分の力のなさを感じた。女性はすごい。分娩室に入る時めちゃくちゃ緊張した。

 20日は「ぎりぎりまで赤ちゃんを抱っこして帰ってきた」と午後4時に仙台のクラブハウスに戻り、軽めに体を動かした。病院にはわずか約24時間の滞在。300試合出場となる甲府戦に頭を切りかえた。前節の新潟戦は「疲れがあり集中力を欠いた。あんな試合になっても仕方ないというパフォーマンス」とチームを分析。リーグ開幕12戦無敗へ「もちろん出る」と力強い。

 昨季11得点だったエースも今季はまだ無得点。「誰かがゴール決めて、ゆりかごダンスをしてくれたら。もちろん自分のゴールだったらいい」と笑った。降格1年目の04年に入団し、仙台をJ1にのし上げた立役者が、300試合で感動のゴールを決める。【三須一紀】