<J1:清水1-0仙台>◇第18節◇26日◇アウスタ

 仙台が今季13戦目にして、ついに清水に敗れた。後半36分、清水FWアレックスに先制され、そのまま試合終了。仙台はFW赤嶺真吾(27)を中心に何度も清水ゴールを脅かしたが決定力を欠いた。昨季1-5で敗れたアウェー清水戦で互角の戦いを演じたが、過去3戦未勝利の鬼門を突破することはできなかった。

 前半8分までに、立て続けに4本のCKがあった。得意のセットプレーだったが、DF鎌田が相手DFと交錯し、顔を痛めるなど、得点には結びつかなかった。同18分には、両サイドハーフが2人でチャンスを作る。左サイドMF梁がサイドチェンジ。日本代表FW関口に代わって先発のMF松下がワントラップし、正確な右クロスを上げる。そこに走り込んだのが梁。シュートは打てなかったが2人の大きなワンツーパスで清水ゴールを脅かした。

 16日間で5戦をこなす超ハードスケジュール。手倉森誠監督(43)は「勝ち越せればいい」と当初から謙虚な姿勢を貫いていた。昨季の「14戦勝ちなし」があったからこそだった。キャンプ時から言い続けてきた。「J1で今季もやれるありがたみを感じ、謙虚にシーズンを戦っていく」。14戦勝てなくとも我慢し続け、なんとか勝ち取ったJ1残留。そこに東日本大震災という未曽有の大災害が起きた。自分たちのためだけでなく、被災地のためにというメンタルが生まれ、ここまで開幕12戦無敗を続けてきた。

 前半終了間際の44分、左サイドからFW赤嶺が右サイドの松下へサイドチェンジ。松下が折り返し、梁が右足で合わせたが、惜しくもゴール右に。昨季1-5で敗れたアウェー清水戦で互角の戦いを演じた。

 後半20分過ぎからお互いカウンターの打ち合いが始まった。同26分、梁の右クロスを赤嶺が頭で合わせるもゴール右へ外れた。1分後にも赤嶺がゴール前でフリーに。狙いすましたシュートはゴール上へ大きく外れた。何度もチャンスを外し続けた後にはピンチが来る。同36分、清水DF太田の左クロスにFWアレックスが左足で合わせ決勝点を許した。

 今季初黒星。だがその戦いぶりは昨季の1-5敗戦のような、ぶざまなものではなかった。最後まで清水を苦しめたことを次節名古屋戦へ生かす。【三須一紀】