日本代表のG大阪MF遠藤保仁(31)が調査を受けている中東クラブが、カタール1部のアル・ジェイシであることが28日、分かった。同クラブは元大分のシャムスカ監督が今月から就任。この日、同じG大阪のFWアドリアーノ(29)の獲得も発表した。Jリーグでの人脈を生かして日本人の獲得を目指しており、補強の第2弾として遠藤までリストアップ。クラブ幹部が来日し、直接視察も検討している。

 カタール1部アル・ジェイシの新監督に就任したシャムスカ氏が、補強の目玉として遠藤をリストアップした。同監督は05~09年まで大分の指揮を執り08年にはナビスコ杯を制覇。同年のJ1リーグ戦でも4位に入るなど弱小クラブを快進撃へ導いた名将だ。その手腕は「シャムスカ・マジック」とも呼ばれた。今季から1部に昇格したアル・ジェイシを常勝クラブにするため、同じG大阪のアドリアーノとともに遠藤の調査まで始めた。

 カタールのクラブは、豊富なオイルマネーで各国の一流選手の獲得を狙っている。過去には元ブラジル代表FWロマーリオ、元アルゼンチン代表FWバティストゥータ、元フランス代表DFデサイーらも所属。近年は元京都の李正秀ら韓国代表の選手も移籍する流れだ。これまでJリーグからは、ブラジル籍助っ人の移籍が通例だったが、ここにきて日本人選手の獲得にも力を注ぐようになってきているという。中東に詳しい関係者は「遠藤の他にも、候補に挙がっている選手がいる」と断言。神戸の元日本代表FW大久保嘉人らも補強リストに入っている。

 7月にもクラブ幹部が来日し、直接視察を検討している。関係者は「遠藤は欧州には興味があるが、中東は行かないのではないか。これまでも中東の話は断っている」と明かした。それでも正式オファーが届けば年俸2億円超を提示されることは確実。複数年契約なら4億~5億円の巨額オファーになる可能性もある。

 今季、8試合9発のアドリアーノに加え、大黒柱の遠藤まで失えば、G大阪にとっては大きな痛手だ。