山形は、ダービー初参戦のFW山崎雅人(29)が仙台ゴールを脅かす。7月27日に広島から期限付き移籍し、ここまで5戦3発。絶好調のストライカーが敵地に乗り込む。

 「伝統ある戦いやと思うし、楽しみ。どっちにしても負けられんことに変わりはない」。今日27日で移籍からちょうど1カ月。すでに山形にフィットしている山崎(29)が、初めてのみちのくダービーに挑む。移籍後の全5試合に先発出場し、3得点を挙げている。小林監督も「スピードだけじゃなく、動きにキレがある」と絶賛。仙台戦でも間違いなくキーマンとなる。

 大舞台で輝く「お祭り男」でもある。G大阪時代の08年には、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)で12戦5発。同年のFIFAクラブW杯では3戦2発、世界的ビッグクラブのマンチェスターUからもゴールを挙げた。神戸との「関西ダービー」でも同年8月23日(1-1)で得点を奪った。ここ一番には強い。

 仙台FW赤嶺との「ストライカー対決」にも注目だ。2人は似た境遇を持つ。赤嶺は昨季、東京(現J2)から移籍し、15戦4得点。当時14戦勝ちなしで降格の危機にあった仙台を救った。一方の山崎も「残留請負人」として上々の滑り出しを見せている。「相手の選手のことは、全く意識してない。今は山形の一員として勝つことだけを考える」。今夏最後のリーグ戦がみちのくダービー。仙台の夜は、山崎がジャックする。【湯浅知彦】