<W杯アジア3次予選:日本1-0北朝鮮>◇C組◇2日◇埼玉スタジアム

 仙台MF梁勇基(29)が北朝鮮代表として日本との直接対決に出場した。背番号6を付けて4-4-2の左MFでフル出場を果たした。後半16分、左足シュートを放ち、北朝鮮この日最大のチャンスを演出した。後半ロスタイム、日本DF吉田麻也(23)に決勝ヘッドを許し0-1で終了。仙台で成長した技術、精神力を駆使し「代表」らしさを存分に示した。

 悲願の夢の舞台に梁が立った。日本で育った在日朝鮮人が祖国を背負い、日本の代表と真剣勝負の場、W杯予選で戦った。台風の影響で大雨に見舞われた滑りやすいピッチにも、さすが梁という冷静なプレーでチームを落ち着かせた。しかし、ボール保持率では日本が完全に上。前半32分、FW鄭大世とのコンビネーションでシュート態勢をつくったが、日本DFに阻まれた。

 前半の見せ場は同44分、仙台と同様に梁が右CKを蹴った。精度の高いボールを供給したが日本DF陣がわずかに勝った。

 W杯予選のメンバーに選出された直後、祖国への熱い思いを語った。

 梁

 在日朝鮮人の人たちのためにも頑張りたい。日本で生まれ育って、朝鮮学校で教育を受けた。日本にそういう人がたくさんいる。そこから代表に入った。元気を与えたい。子どもたちにも見てほしい。

 日本が強敵なのは分かっていた。それでも「チャンスはゼロじゃない。守備をする時間は多くなるけど、チャンスがあれば前に飛び出したい」と、この日の展開を予想。じれずにプレーし続けた。

 後半16分、梁らしさが出た。左サイドからスルスルと中央に入る。フリーでパスを受け、左足でシュート。DF吉田に当たりCKを獲得。その左CKから身長186センチFWパク・クァンリョンの頭に合わせ、この日最大のチャンスを演出した。

 後半ロスタイム、梁がチェックに走ったがMF清武に右クロスを入れられ、DF吉田に決勝ヘッドを許した。日本からの貴重な勝ち点1は得られなかった。だが、生まれ育った日本、プロサッカー選手として育てられた仙台に感謝しながら、祖国北朝鮮のために走り回った90分。それは予選後に仙台に戻ったとき、大きな力となる。