<J1:甲府2-1福岡>◇第26節◇17日◇中銀スタ

 甲府の日本代表FWハーフナー・マイク(24)が、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(58)の御前試合でゴールを決めた。前半4分に約30メートルの技あり先制弾を決めるなど、全2得点に絡む活躍で福岡を下した。前回6月の御前試合でも得点したが、同監督が会場を離れた後だった。今月のW杯アジア3次予選は故障者に代わっての追加招集だったが、10月11日の同予選タジキスタン戦には最初から代表入りを目指す。今季13得点とし、得点ランクも1位ケネディ(名古屋)に1差に迫った。

 開始わずか4分だった。ハーフナーはMF片桐のスルーパスに抜け出すと、飛び出していたGKより一足早くスライディングシュートを放った。30メートル転がったボールはゴールへ吸い込まれるようだった。

 今季4度の御前試合は百発百中。5月7日の広島戦、6月11日の川崎F戦、同月15日の鹿島戦でも得点を決めている。しかし、鹿島戦はザッケローニ監督が帰路に就いた後の後半ロスタイムに決めた決勝ゴールだった。それが心残りだった。「この前は帰った後に点を取ったので早くに取りたかった」とハーフナーは笑顔で話した。

 今月のW杯アジア3次予選のメンバーには当初、名前がなかった。日本代表FW本田が負傷離脱したため追加招集で声がかかった。合流翌日2日の北朝鮮戦に後半25分から途中出場。バー直撃の惜しいシュートを放つなど存在感を見せた。が、ゴールを決めることはできなかった。

 その代表での悔しい経験が、今の発奮材料になっている。無得点に終わった6日のウズベキスタン戦を終え、7日に帰国した際には「自分はまだまだ。また明日から頑張りたい」とコメント。その言葉通りに11日の仙台戦でゴールを決めた。この日の得点で3戦連発で今季13点目。前半28分には右からのクロスに体を張ってPKを獲得した。「代表で求められるボールのもらい方や守備を突き詰めたい」と話した。

 10月の代表は7日に親善試合ベトナム戦、11日にW杯アジア3次予選タジキスタン戦を控える。今度は正式な招集メンバー入りを目指す。194センチの大型FWがザックジャパンの切り札になる。【加納慎也】