<J1:横浜1-1G大阪>◇第26節◇18日◇日産ス

 G大阪が敵地で貴重な「勝ち点1」を奪った。勝ち点差3だった横浜との首位攻防戦は、1点ビハインドの後半13分にFWラフィーニャ(24)がヘディングで同点弾。リーグ最少失点だった堅固な横浜ゴールをこじ開けて、1-1の引き分けに持ち込んだ。これで開幕から26試合連続得点とし、7月23日磐田戦から11試合連続負けなし(7勝4分け)。勝ち点54で首位をキープし、6年ぶりの優勝へまた1歩近づいた。

 最強の「矛」が、最強だった「盾」を突き破った。後半13分、リーグ最少失点を誇っていた横浜ゴールを揺らしたのは無敗男のラフィーニャだ。DF藤春のクロスに丸刈り頭でズドン!

 これで7月にJ2草津から加入して10戦9発。9日にモヒカン頭の散髪に失敗したブラジル人は「モヒカンで7点取ったから、まずは丸刈り頭で7点取らなきゃね」と頭をさすった。

 円熟味たっぷりの試合運びだった。先発11人の平均年齢は28・73歳。若き横浜を4歳上回るイレブンは、勝負どころを分かっていた。「プレッシャーが早いと分かっていたから、前半はあえて前に急がずに」とMF遠藤。後半に入ると、11分に2列目2人を交代。同12分のCKでは右内転筋痛の遠藤が、この試合初めてプレースキックを蹴った。「宝刀」を抜く“号砲”に合わせるように、攻勢に転じた。

 通算4試合目で同点アシストの新人藤春が「とにかく走ればボールが来る」と言えば、ラフィーニャも「みんな一体で動くし、ガンバは自分のスタイルに合っている」という。経験が少ない選手もリーグダントツ64得点「超攻撃」の歯車となり、開幕からいまだに1度も完封されていない。

 これで11試合連続負けなしとなり、西野監督も「自分たちのスタイルを出し切ってポイント1を奪えたのは、間違いなく次につながる」と評価。6年ぶりのJ王者へ、遠藤も「毎年、優勝チームと2位以下は直接対決の差が大きい。今年はそれもうまくいっている」。実りの秋へ、ラストスパートをかけるときが時が来た。【近間康隆】