<ナビスコ杯:新潟3-1清水>◇2回戦第2戦◇28日◇東北電ス

 清水はFW大前元紀(21)の先制ゴールで優位に立ったものの、3点を奪われ逆転負け。1勝1敗となったが、得失点差で1点及ばず敗退した。

 芸術的なループシュートが新潟ゴールに吸い込まれた。前半25分、FW高木の左クロスをFW大前がシュート。1度は相手守備陣にブロックされたが、自らこぼれ球を拾うと、清水から期限付き移籍中の新潟GK武田をあざ笑うかのように、ふわりと山なりの弾道でゴールネットを揺らせて見せた。

 先制点は「小野-高木-大前」のトライアングルで生まれた。まずは、MF小野が中盤でボールをキープすると、左サイドの高木へ絶妙なパスで展開。若干長いかと思われたパスだったが、高木が快足を飛ばしラインぎりぎりで中央へ折り返した。最後は、ここ4戦3発で天性のゴール感覚を持つ大前が役割を果たした。得点に絡んだ3選手が、それぞれの持ち味を発揮し、ゴールに結びつけた。

 4年連続8強進出を大きく引き寄せる先制点のはずだった。しかし、前半36分に同点とされると、後半10分、13分にも失点を重ね、まさかの3失点。「いいスタートを切り、チャンスを作り、ゴールを決めることが出来た。だが、その後、下がってスペースを与えてしまった」。ハーフタイムの指揮官の指摘が、皮肉にも敗因の全てを物語っていた。【為田聡史】