<J1:仙台2-1C大阪>◇第28節◇2日◇ユアスタ

 仙台が「頭」で、J1では02年以来のチーム最多タイとなる5連勝を果たした。2点とも北朝鮮代表MF梁勇基(29)のCKから生まれた。前半21分にDF渡辺広大(24)、同40分にDF菅井直樹(27)がセットプレーで押し込んだ。順位は変わらず5位だが勝ち点を47とし、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)圏内の3位名古屋へ6差と迫った。同時に残り6戦となりJ2降格圏の16位甲府と勝ち点差20となり、J1残留も決めた。

 頭と言ってもヘディングではない。鋭い分析力が仙台の2点を生んだ。前半、1本目のCKで「ビデオで見たのと違う…」。梁は、すぐにセットプレーでターゲットになる選手に次の2点を伝えた。

 <1>ニアサイドのゴール前にDFを集めている。ニアに入る人はマイナス気味(ゴールから遠い位置)に走り込んでほしい。

 <2>ファーサイドで合わせる人は少し遅れて入ってきてほしい。

 2得点とも全く同じ形で奪った。前半21分、FW柳沢がその指示通り、ゴールから遠いニアサイドへ走り込む。ゴールに張り付いているGKもDFもマークに付けないため、柳沢がゴール中央へ頭で流す。そして遅れて入ってきたDF渡辺が最高のタイミングで走り込み右足で決勝点を挙げた。「梁さんに遅く入ってきてって言われたんで」。司令塔の指示に柔軟に対応し昨季、最終節で残留弾を放った男が再び自力残留を決めた。

 同40分の追加点も、MF角田の頭→DF菅井の右足と、同じシーンを見ているようだった。梁は「思った通りになった。ニア(のゴール前)は人がたくさんいたから」としたり顔を見せた。

 失点シーンを振り返ってもほほ笑ましい。MF関口のドリブルが相手陣で奪われカウンターを受ける。防ごうとした渡辺だったが、9戦ぶりのスタメンで「足が全部つった」と決死のスライディングは届かなかった。そこに全力で戻ってきた関口が相手と交錯し、PKを献上。だが試合後「セキさんに『俺のファウルだけど…、おまえ何してんね~ん!』って言われちゃいました」と渡辺。失点はしたが雰囲気は落ち込まない。試合後、手倉森監督がロッカールームで叫んだ。ACLへ「本気になろう!」。【三須一紀】