J2札幌DF櫛引一紀(18)が負の流れを食い止める。今日22日の鳥取戦(鳥取・とりぎんバードスタジアム)で9試合連続の先発が濃厚だ。鳥取戦後は10月31日開幕のU-19アジア選手権予選(タイ)に備えU-18日本代表合宿に合流する。26日の徳島戦(鳴門大塚)以降、最低でも3試合は離脱となるだけに、ここで連敗を止め、上昇気流を呼び込んでから旅立つ覚悟だ。

 櫛引が任務をまっとうして代表へ旅立つ。鳥取市用瀬運動公園で行われた21日の戦術練習では主力組に入ってプレー。途中で石崎監督直々にポジショニングを指摘されるなど、鳥取戦に向け細部まで入念に戦術チェックした。「3連敗で代表に行くなんて申し訳なくてできない。鳥取戦は絶対勝ちたい」。京都戦では悪夢の4失点を喫した。櫛引にとっては昨年1月の全国高校選手権2回戦、前橋橋育英高以来の屈辱。悔しい思いを引きずったまま、チームを離れるわけにはいかない。

 この日、練習前のミーティングで課題を頭にたたき込んだ。京都戦は1点目がポジショニング、2点目が寄せの甘さ、3点目がマークのズレ、4点目が球際の弱さを露呈した。「すべて僕の責任。反省しないと。でもネガティブにならないよう切り替えることも大事」。決して櫛引1人の問題ではなかったが、敗因を自分のプレーにリンクさせ、成長につなげる。

 “鳥取キラー”のエールを力に変える。前日20日に札幌・宮の沢でトレーニングをしているFW三上からメールが届いた。5月15日の前回対戦で2得点した同期は、鳥取ミニ合宿メンバーに入れなかった。「チームの雰囲気をとても気にしてくれていた。ここに来たくても来られない仲間の分まで恥ずかしくないプレーを」。鳥取戦で得点したのは札幌では三上だけ。キラー不在も、友の闘志は受け継いだ。

 鳥取戦後、その日のうちにU-18日本代表の合宿地、新潟に入る。U-19アジア選手権予選終了後の11月11日の再合流を予定。18日のミニ合宿開始から、ただ1人24日間の長期遠征となるだけに準備も万端だ。バッグには恒例の気分転換アイテム「人志松本のすべらない話」のDVDを忍ばせた。3連敗は御免だ。切れ味たっぷりのすべらないDFで、9月17日の北九州戦戦以来、6戦ぶり完封勝利を呼び込む。【永野高輔】