<J2:鳥取1-5東京>◇第36節◇19日◇とりスタ

 東京がJ1定着に向け、来季からペトロビッチ監督(54=現広島)招聘(しょうへい)を目指していることが19日、分かった。この日、アウェーで鳥取に大勝。22勝8分け6敗の勝ち点74とし、2試合を残してJ1復帰を決めた。大役を果たした大熊清監督(47)は来季からフロント入りするとみられる。全選手のリーダー化で結果を出した東京が、来季からは考えながら走るサッカーでJ1に挑戦する。

 1年でJ1に戻った。終了ホイッスルの瞬間、ほとんどの選手が両手を広げ、ガッツポーズし、MF羽生と谷沢は涙を拭こうともしなかった。この瞬間のために戦ってきた1年。大熊監督は「J1に戻るのが目標ではない。強くなって戻るのが目標です」と気を引き締めた。

 今季のチーム目標は、選手それぞれの自立とリーダー化。そのため、2月の宮崎合宿では選手に「チームのため自分は何をすべきか」のリポートを2度も出させた。自立を認識させたことで、今季は選手同士の会話が増え、練習内容がよくない時は、三々五々ピッチに集まり、自発的に青空ミーティングを開くなど、自分たちで改善策を見いだした。

 1年でJ1復帰は果たしたが、次の目標はJ1定着、さらにはJ1で優勝争いだ。そのため、今季、任務を全うした大熊監督はフロントに入り、チーム力を高めるため、尽力することになりそうだ。代わりにペトロビッチ監督の招聘を目指している。まだシーズン中のため、契約には至っていないが、代理人と交渉に入っている。今季終了後に監督本人を交えた本格交渉後「ペトロビッチ東京」が誕生する可能性は高い。大熊監督は「そういう話はこれからです。決まったことはなんにもない」と明言は避けた。

 選手を自立させるという下地はできた。あとは考えて走るサッカーを前面に押し出し、J1で旋風を起こすだけだ。