リーグ最終戦は完封で締める。清水は1日、完全非公開練習を行い調整した。チームはここ数試合、審判による不可解判定などもあって現在2連敗中。日本代表GK山本海人(26)は、明日3日のG大阪戦(アウスタ)での連敗ストップを冷静に誓った。また、川崎Fと対戦(ヤマハ)する磐田は、けが人続出でサブメンバーも含めた総力戦での戦いを強いられる。

 今季最後のリーグ戦を前に、山本海は2年前を思い出していた。09年10月、日本代表からチーム合流後、まさかの3連敗で先発から外れ、最終的に5連敗。だが最終戦の名古屋戦で先発復帰すると、完封で抑えて0-0で連敗ストップに成功した。「あの時はもう、吹っ切れていた。今回も使ってもらえると思うから、期待に応えないといけない」と、完封での3連敗阻止を狙う。

 今、やりきれない雰囲気がチームに漂っている。ここ数試合、審判による不可解判定で得点を逃し失点を喫している。実際に前節鹿島戦ではオフサイド判定で得点を取り消され、オフサイドであるはずの失点が認められた。試合後にゴトビ監督も不満を爆発させ、クラブは近日中に資料をJリーグに提出する予定。しかし、その中でも山本海が「(判定に)流されないで臨機応変に対応していきたい」と冷静に言えるのは、過酷な状況を知るからだ。

 先月、日本代表として同行したW杯アジア3次予選アウェー北朝鮮戦では入国だけで4時間待ち。その際、壁に寄りかかることも地面に座ることも許されなかった。ホテルは各フロアに兵隊が数人常駐。ピッチは異様な雰囲気に包まれ悪質なファウルを受けた。常連選手が「ワーストに入るきつい遠征」とこぼす試合をベンチから見つめ、結果を左右することはピッチ内外で起こり得ることを肌で感じた。その上で「いつも通り落ち着いてやって、結果がついてきたらまた自信になる。天皇杯にもつなげられる」と言い切る。平常心を胸に、90分間遂行することが勝利への近道だ。【栗田成芳】