G大阪を退任する西野朗監督(56)が、悩める胸中を明かした。3位に終わった最終節清水戦から一夜明けた4日、大阪・万博記念公園で開催されたファン感謝祭に参加。G大阪からは相談役として、ゼネラルアドバイザー(GA)就任の要請を受けた。さらに一度は交渉が消滅した浦和を含む、国内外の数クラブから監督就任の打診を受けたことも明言。近日中に決断が求められる自身の去就について悩み「旅人になろうかな」とまで漏らした。

 タイトルをかけた戦いが終わり、今度は来季の身の振る舞いを決めなければいけない時間が迫ってきた。ファン感謝祭に参加した後に、西野監督は02年から長時間を過ごしたG大阪の監督室を整理した。10年間の感慨に浸る暇もなく、来年の“就職活動”について淡々と現状を語った。

 「『いろいろ』選択肢はあるの『いろ』くらい。現場(監督)の話はあります。違うポジションも。監督の話なら早急に…となる。時間はないから。そういう中でも(監督就任を)決めるべきなのか、決める必要はないのか。また1からチームを作るしんどさはある。かといって(体が)動けるうちに動いておいた方がいいという思いもある」

 具体名こそ明かさなかったが、最終節清水戦(3日)直前にJクラブから監督就任を要請する電話を受けたという。まだG大阪退任が決まる11月初旬に打診を受け、一度は交渉が消滅した浦和からだった。西野監督は「最終戦に集中したい」との理由で、その打診を保留。その他にもアジアのクラブから打診を受けていることも自ら明かした。

 「(浦和からは)最終戦後は連絡がないですね。こちらから連絡するものでもない。(電話で)今すぐに決めないといけないのなら難しいと答えたので、向こう(浦和)が『断られた』と思えば消滅している。(海外クラブは)言葉の問題があるから難しいかな」

 さらにG大阪もクラブ運営における相談役として、2年契約でのGA就任を要請した。金森社長は「(プロ野球)阪神で星野仙一さんが務めていたものと同じものを考えている。もちろん一流企業の取締役級の条件も出す」と説明した。他クラブでの監督就任か、それとも相談役か。悩める西野監督は「旅人になろうかな。(中田)ヒデを見習って。ボクは地味な旅人に」と冗談交じりで漏らした。