鹿児島キャンプ4日目を迎えた磐田は8日、韓国Kリーグの強豪・FCソウルと練習試合(45分ハーフ2試合)を行った。1試合目はJ2横浜FCから加入したDF宮崎智彦(25)が先制点を決めるなど、3-2で勝利した。

 現時点でのベストメンバーで対戦した2試合目は、後半立ち上がりにエース前田遼一(30)が右足で先制点をマーク。その後追いつかれたが、一昨年のKリーグ覇者と互角以上に渡り合った。前半からパスをつなぐことを徹底し、ボールを動かすことで相手のスタミナを奪う「後半勝負型」のスタイルが形になった。

 思い描いていた通りの展開だった。前半はFCソウルの素早い出足と球際の強さの前に、効果的なシュートは1本も打てなかった。それでも磐田は自陣から細かいパスをつなぎ、相手を揺さぶった。シュートまでは持ち込めなかったが、ロングキックはほとんど使わず、パスサッカーに徹した。

 効果は確実に表れた。後半4分、中盤でダイレクトパスをつないで右サイドを崩すと、抜け出したFW金園のクロスを前田が右足で合わせて先制。同10分に同点とされたが、その後は思うようにパスがつながり、ボール保持率で圧倒した。細かくパスを回し、ボールを動かすことで相手の体力を奪い、終盤には運動量でも上回った。森下仁志監督(39)は「やろうとしていることは後々に効いてくる。後半に点を取れることが理想」と手応えを口にした。

 新チーム始動からシステムを固定せず、一貫してボールをつなぐ練習を続けてきた。鹿児島キャンプでも練習の大半はボールを保持するメニュー。この日、先制点を決めた前田は「みんなが自分の役割をしっかりやっていけば、もっと良くなってくると思う」。アシストした金園も「やることがはっきりしているのはいい」とうなずいた。

 今後はMF山田やDF千代反田、DFチョ・ビョングクら、ケガで別メニュー調整を続けている選手が続々と復帰する予定。森下監督は「すごく楽しみですね」。残り12日となったキャンプで、さらに完成度を高めていく。【神谷亮磨】