<J1:神戸2-1札幌>◇第2節◇17日◇ホームズ

 ニューフェースがチーム1号を決めた!

 札幌は神戸に逆転負けを喫したが、前半7分にMF山本真希(24)が今季チーム1号となる先制点をたたきこんだ。清水から移籍した新戦力が既存戦力とがっちり融合。今季初勝利はお預けも、無得点だった磐田戦から攻撃面で1歩前進した。フィニッシュ精度に磨きをかけ、中2日で迎える20日のナビスコ杯新潟戦(札幌ドーム)で初勝利を狙う。

 札幌の12年初得点はMF山本から生まれた。0-0の前半7分、DF高木純が右サイドから放ったミドルシュートが相手DFに当たってこぼれた。「くると思ったら、いいところに転がってきた」。冷静にGKの位置を見定め右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅へ。08年11月30日の名古屋戦以来1203日ぶりのJ1ゴールは、新戦力がたたき込んだ。

 結果は逆転負けも、スコアレスドローに終わった開幕磐田戦から、攻撃面で進歩を見せた。本来なら守備的な役割に重きを置くボランチ山本の得点。意外な伏兵の1発に石崎監督も「チャンスでゴール前に顔を出す山本の良さが出た。シュートの正確さも出ていた」と及第点を与えた。

 ようやく札幌の一員となれた。清水時代はチームカラーのオレンジ色のシューズを履いていた。札幌での初戦となった10日の磐田戦はピンク色のシューズを履くも無得点。「何かコンサドーレっぽくなかった」と、この日からは白地に赤ライン、赤ひもの札幌バージョンに替えた。「こっちの方がいい」。新色シューズで、あいさつ代わりの1発を決めた。

 グアム、熊本と続いた合宿では清水時代からの先輩、高木純が同部屋だった。清水ユース時代からのアニキは「真希がいろんな人と話す機会が持てるように」と、パイプ役となって他の選手を引き合わせチームに早くなじめるよう尽力してくれた。優しい先輩の強烈なミドルは、初得点の起点にもなった。

 新戦力の中では唯一、合宿前の1月に小百合夫人(26)と6カ月の長女真綿ちゃんを呼び寄せ、札幌で家族生活を始めた。勝ち点は奪えなかったが、山本にとっては10年10月23日の山形戦以来876日ぶりの得点だ。「J1でやれる手応えはつかめた。続けてやれば結果は出る」。勝利は、もう目の前まで近づいている。【永野高輔】