<J1:仙台0-1清水>◇第10節◇6日◇ユアスタ

 仙台手倉森誠監督(44)も笑うしかない。「また清水だったな」。それもそのはず。開幕から12戦負けなしだった昨季も初めて土をつけられた相手。これで同監督の就任以降、清水戦は1分け4敗。

 途中から数的優位になった後半だけで、9本のシュートを浴びせながら、1点が遠い。しかも、清水戦の黒星は尾を引くからなお、たちが悪い。清水に敗れてから一昨年は13戦、昨年は8戦勝てなかった。

 全体をコンパクトに、かつ高い位置で保つのが首位を走ってきた今季の仙台。前日5日、指揮官はこんな話をしていた。「3トップとボランチの両脇の出入りをつかまえないと苦しい。オープンな展開にすると、自由に動いてしまう。コンパクトに、というのが大事」。

 それができなかった。前半40分、FW高木に右サイドを崩され、大前に決められた。直前も高木→大前と同じ形でつながれ、GK林が右手1本で間一髪セーブ。両サイドバックが守備に追われて選手同士の距離が広がり、本来のコンパクトさを維持できなかった。

 前半33分のMF関口など、強烈なシュートが何度もGKの正面を突いた。清水の土俵際の守備が上回った部分もある。ただ、手倉森監督が「今日はそういう(不運な面もある)日だったんだと思う」と話したように、戦術を超えた“何か”を感じてしまう相性の悪さ。

 前半には、雷雨で43分間の中断を挟んだ。「ゲームも中断、我々の無敗も中断になった。この後が大事」。依然首位、攻めの形もできている。今季こそ、ここで踏ん張る。【亀山泰宏】