<J1:磐田3-0鹿島>◇第11節◇12日◇ヤマハ

 磐田が10年ぶりにホームで鹿島に勝利した。前半10分、エース前田遼一(30)の7戦ぶりゴールで先制すると、後半39分にMF松浦拓弥(23)が追加点。最後はMF山田大記(23)の今季4号で締めた。清水は、1点を追う後半ロスタイム、ラストプレーでFWアレックス・ブロスケ(28)が同点ゴールを決め、引き分けに持ち込み、2位を守った。両チームとも開幕からホーム負けなしを継続した。

 決めるべき男が決めて、チームが乗った。前半10分、MFペクのクロスをエース前田が頭で合わせて均衡を破った。後半39分には自陣からのカウンターから松浦がチーム2点目。勝利を確信しても止まらない。同45分にはゲームキャプテン山田が強烈な左足ミドルを突き刺し、相手の息の根を完全に止めた。前田は「いいボールがきたので合わせるだけだった。今日はディフェンスが頑張ってくれた」と仲間に感謝した。

 恥ずかしい姿は見せられなかった。この日は磐田市内の小学5、6年生約3200人が観戦。子供らには公式サプライヤーのポッカがビブスを提供。スタンドがサックスブルーに染まった。試合前のミーティングでは森下仁志監督(39)が「子どもたちの誇りとなるような試合をしよう」。指揮官が自信を持って送り出した11人で3ゴールを奪い、10年ぶりにホームで勝利。リーグ戦では41度目の対戦で初めて3点差をつけた。

 これで順位は7位から4位にジャンプアップ。大型連休3連戦で勝利できなかった鬱憤(うっぷん)も晴らした。3試合ぶりの先発で結果を出した松浦は「レッズ戦で出られなかったのがショックだった。今日はプレーしていて楽しかった」。山田は「勝利に対する執着心が出てきた。僕らはもっとプレッシャーのかかる上のステージで戦わなければいけない」と言葉に力強さが戻った。好調だった前半戦の強いジュビロに戻ってきた。【神谷亮磨】