<J1:鹿島7-0札幌>◇第12節◇19日◇カシマ

 カシマの悲劇が繰り返された。札幌は鹿島に大敗した。7失点はクラブのリーグ戦ワースト。公式戦では、97年10月18日のナビスコ杯準々決勝鹿島戦以来の惨敗となった。負傷者続出で通常の4バックが組めず、石崎信弘監督(54)は3バックに変えたが、DF陣が崩壊。15年前と同じ県立カシマサッカースタジアムで、めった打ちにあった。

 サンドバッグ状態だった。0-1の前半15分、DFノースが鹿島FW大迫に振り切られ、背後からユニホームを引っ張って倒しPK。同40分に3点目を献上すると、後半にも4失点し、鹿島戦はこれでリーグ6連敗。FW大島は「これはサッカーというか、人生として恥。当然、これを次の試合ではね返さないといけない」と前を向いた。

 ケガ人続出で応急措置を取ったが、効果はなかった。今季初めてノース、櫛引、奈良の3バックでスタートも、テストできたのは前日18日の1日のみ。不慣れなシステムで開始9分に失点すると、その後も思うがままパスを回され連続失点した。奈良は「マークの受け渡しなど、慣れてないところが出てしまった。後手後手に回ってしまった」と悔やんだ。

 開幕12戦で勝ち点4のチームが残留した例はない。開幕11戦未勝利から残留した08年千葉は12戦目で白星を挙げ、勝ち点を5に伸ばした。厳しい状況だが、三上強化部長は「まず、ここから今いるスタッフ、選手で立て直すことを考えていかないといけない」と現体制での奮起を期待した。屈辱的敗戦をバネにして、はい上がるしかない。【永野高輔】