喝だ!

 あっぱれだ!

 仙台DF上本大海(29)が“ご意見番”として首位キープを後押しする。右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷と右膝前十字靱帯不全損傷で離脱しているセンターバック。30日にリハビリのためクラブハウスを訪れ、試合を外から見て感じたことを積極的に伝えていく考えを示した。右膝は全治8週間で8月中の復帰を見込んでいるが、ピッチ外でもチームのためにできることは惜しまない。

 明日6月1日に30歳となる“親分”が、「ベガルタ版サンデーモーニング」でチームの進化に一役買う。今年のJ1は原則土曜開催。今後リハビリが続く上本は、一夜明けた日曜にリカバリーする出場組と会うことになる。そこで、だ。「僕もズバズバ言われた方がいい。遠回しに言うと、それだけ成長にも遠回りしちゃうような気がするんですよ。次やらない意識づけとして、ズバッと直球で言いますよ」。故障者がチームの現状に対して意見を出すのは、勇気のいることでもある。それでもチームのために、あえて言う。

 19日の名古屋戦で右膝を負傷。欠場した最初の試合、26日の川崎F戦でチームは2-3と今季最多失点で敗れた。テレビ観戦した上本は「3点取られてしまったけど、僕はいいサッカーができてたんじゃないかと思う」と振り返る。ただ、と付け加えた。「3点取られないようにするのは大事。でも、個人的にはもっと攻撃というか、3点目を取りにいって良かったんじゃないかと思う。(一時逆転となる)2点目が入った瞬間、消極的な攻撃が多くなった」。客観的に見た感想はシビアだ。

 一口に直球を投げ込むといっても、上本なりの配慮がある。ノリのいいタイプにはそのままぶつける。「ヨシ(太田)には言ってやりましたよ。『もっといけよ。何であそこでパス?』って言ったら『すいません、オレじゃ無理でした』だって(笑い)。でも、そういうやりとりで雰囲気が盛り上がるんですよ」。一方で真面目に考え込むタイプには「僕も考えて、ちょっと柔らかく言ったりね」と使い分けるという。

 右膝は「こういう大きなケガは初めて」と話す重傷。復帰時期を聞かれると「3カ月くらいですかね。徐々に動きながら、8月くらいに…。うわ、一番暑い時期じゃないですか」と苦笑した。離脱の悔しさは胸にしまい、クラブハウスのご意見番としてチームを支える。【亀山泰宏】