清水のMF小野伸二(32)が、1年前の決意を胸に、チャリティー試合とリーグ後半戦に臨む。21日にカシマサッカースタジアムで行われる東日本大震災復興支援試合でJリーグ選抜入り。11日の練習後には特命PR部マネジャーでタレントの足立梨花(19)から「プレーで被災地の方々に元気を与えてください」と、ユニホームを手渡された。

 小野もその思いをしっかり受け取った。昨年7月14日、被災地の岩手県山田町を訪問。津波により甚大な被害を受けながらも笑顔でサッカーを続ける少年たちと、ボールを蹴り合った。その後も気になっていた被災地でのスペシャルマッチに「また行きたいと思っていた。重大な任務だと思う。魅せるというよりは、一生懸命、そして必死にボールを追い掛ける。そういうプレーをしたい」と言った。

 当時、被災地では子どもたちにリーグ制覇も誓った。現在チームは7戦勝ちなしと苦しい状況が続き、9位で前半戦を折り返した。小野は「1つの壁を乗り越えたらスムーズに進んでいけると思う。泥臭く点を取りにいく姿勢を見せて、どんな形であれ勝ち点3を取りたい」。約束を果たすため、後半戦スタートとなる柏戦へ力を込めた。【前田和哉】