<J1:清水3-5柏>◇第18節◇14日◇アウスタ

 清水イレブンの意地とプライドが詰まったボールが、3度ゴールネットに突き刺さった。まずは1点を追う前半37分、相手のファウルで獲得したPKをFW大前元紀(22)がゴール左隅へ冷静に決めた。リーチをかけてから3試合目。ずっと待ち望んだ、そしてプレッシャーとして重くのしかかっていた待望のチーム通算1000ゴールだった。

 戦前、MF小野主将は「この壁を乗り越えられれば、スムーズに進んでいける」。言葉通り、必要だったこの1点こそが、7戦勝ちなしと苦しんできたチームを一変させた。同終了間際にDF岩下が2枚目の警告を受けて退場したが、後半開始早々の8分。DF李のFKからFW高原が今季1号となるヘディングシュートをねじ込む。続く同17分には、FWアレックスがドリブルから左足を振り抜き、貴重な3点目をたたき込んだ。

 しかし、同22分に柏のMFジョルジ・ワグネルとともにDF吉田が退場。再び数的優位に立たれると、そこからまさかの4失点。リーグ最少失点を誇るDF陣も耐えることができなかった。開幕から公式戦11戦負けなしだったホームで初黒星。8戦勝ちなし。トンネルから抜け出せないまま12位に後退した。【前田和哉】