<J2:湘南0-0山形>◇第25節◇22日◇BMWス

 山形は湘南と引き分けた。前節福岡戦(3-1=15日)に続き、中盤がダイヤモンド型の「4-4-2」の布陣で挑んだが、相手ゴールを揺らすことはできなかった。これでアウェー7戦勝ちなし。甲府と順位が入れ替わり、5位に転落した。

 前半は湘南の速攻に苦しんだ。終了間際に敵陣でボールを奪われ、速い展開からMF高山にミドルシュートを打たれた。わずかにゴール左にそれて難を逃れたが、危ない場面だった。一方でオフサイドを10個記録。奥野僚右監督(43)は「DFラインの意思統一ができている」と無失点に抑えた守備陣の働きに目を細めた。

 22歳の若手2人が奮起した。福岡戦で左足を負傷したDF石川に代わって出場したDF山田が、積極的に攻撃参加。左サイドを駆け上がり、前線の選手にパスを出してゴール前に顔を出すなど持ち味を発揮した。後半頭からはMF船山に代え、スピードのあるMF広瀬を投入。直後にJ通算200試合目の出場となったFW山崎へキラーパスを供給し、存在感を示した。

 敵将・チョウ・キジェ監督と奥野監督は同じ京都出身の43歳同士。チョウ監督が「(奥野)僚右とは小学校の時から対戦して、彼はいつもボクの前にいた。今日は神様が(勝ち点)1になるようにしたのかな。ゴール前に1本でもいいパスが出れば…」と悔やんだ。奥野監督も「湘南さんとは、攻防ではなく“攻攻”の展開になると思っていた。よく攻めたけど勝ち点3を取れなかったのは残念だった」と、ともに攻撃重視の展開から無得点に終わったことを強調した。山形は敵地で7戦白星なし。甲府に抜かれ、5位に順位を下げた。【湯浅知彦】