名古屋が来季新人の目玉、福岡大DF牟田雄祐(21=筑陽学園)を獲得することが17日、決定的となった。複数のJリーグ関係者が、牟田が名古屋入りすると認めた。187センチの長身を生かし空中戦で無類の強さを誇り、昨年10月にはロンドン五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表候補合宿にも呼ばれた逸材。一昨年のリーグ王者名古屋、昨年の王者柏などJリーグの8クラブが獲得に動いた争奪戦がついに決した。

 牟田は筑陽学園-福岡大と九州の強豪で成長。ともに主将として、そのプレーはもとより卓越したリーダーシップを発揮してきた。ロンドン五輪代表入りはならなかったが、センターバック不足の日本代表にとっても、高さという武器を有する期待の有望株。2年後のW杯ブラジル大会のメンバー入りも狙える潜在能力が魅力だ。

 名古屋は牟田の2年先輩のロンドン五輪代表FW永井を同じ福岡大から獲得した縁もあり、早くからアプローチを続けていた。永井が名古屋で成長し五輪でブレークしたことも、決断を後押ししたとみられる。現在、名古屋は闘莉王、増川、ダニエルとJ屈指のセンターバックをそろえるが、3人とも30代。若手の補強が急務とされている中、「ポスト闘莉王」にメドが立ったのは大きい。

 名古屋関係者は「オファーは出しており、返答を待っている状況。どうしてもウチに来てもらわなくては困る選手。待つしかない」。牟田は周囲に8月中に進路を定めると話している。大学関係者や興味を示してくれた他クラブに筋を通した上で、名古屋に意思を伝え、正式に進路を表明する運びとなりそうだ。

 ◆牟田雄祐(むた・ゆうすけ)1990年(平2)9月22日、福岡県生まれ。博多中から筑陽学園(福岡)に進み3年時に主将として全国選手権に出場。福岡大に進み4年生となった今季主将を務める。高校、大学を通じポジションはセンターバック。187センチ、76キロ。