<J1:清水0-2浦和>◇第23節◇25日◇エコパ

 主力の欠場者が多い清水は前半に2点を先制されると、浦和に完封負け。8月初黒星で9位に後退した。

 主力3人を欠き、真価が問われた一戦で清水に厳しい現実が突き付けられた。序盤から浦和に圧倒的に主導権を握られると、前半11分。左サイドからのクロスを中央で合わせられ、先制点を許した。試合前「先制点を取れれば守備的な浦和のプランが崩れる。そうすれば我々のサッカーが、より展開できる」とアフシン・ゴトビ監督(48)が掲げた狙いは、あっけなく消え去った。

 その後もリーグ初先発のDF犬飼、不慣れな左SBに回ったDF河井の両サイドを広く有効に使われ、苦しい展開は続いた。同18分、MFアレックスが自陣の低い位置でボールを奪われると、ドリブル突破に耐えきれずペナルティーエリア内で痛恨のファウル。PKを落ち着いて決められ、開始からわずか20分で2点のリードを許した。07年以来、ゴトビ監督就任後初の4連勝への道のりは険しいものとなった。

 後半、チームの窮地に公式戦4戦ぶりにピッチに立ったベテランFW高原が奮起。前線で体を張り、ゴールへの推進力を取り戻させた。同2分には、ゴール前の混戦からあと1歩と迫った。しかし、最後までゴールネットが揺れることはなく、今季最多の2万3188人が訪れたエコパスタジアムは浦和サポーターの歓喜に包まれた。

 90分間走り続けた選手にも疲労感だけが残った。5月には3連勝後の1分けから、クラブワーストの9戦勝ちなしとなった。この1敗を悪夢の始まりにするわけにはいかない。【前田和哉】