仙台FWウイルソン(27)が、今日7日のホームC大阪戦出場を猛烈に志願した。右くるぶし付近を痛めて前日5日は別メニュー調整だったが、6日はミニゲームなど全体練習に復帰。「まだ痛みはある」と話しながらも、強行スタメンへ並々ならぬ意欲をのぞかせた。逆転優勝へ欠かせないチーム得点王のハートは、熱く燃えている。

 ウイルソンが悲壮な覚悟を示した。「最終的には監督の指示に従う」と断った上で「まだ痛みはあるし、腫れもある。でも、痛みを乗り越えて試合に出たい気持ちはある」。練習場から引き揚げる際には手倉森監督から状態を確認された。そこでも「自分はチームに協力したい」と申し出たという。

 4日の練習で右くるぶし付近を負傷。前日5日は軽いランニングのみの調整だったが、この日は全体メニューを消化した。軽快な動きに笑顔を見せたかと思えば、痛めている右足でシュートを狙う場面も。「瞬発力を使うプレーで多少痛みが出るけど、シュートやパスの時はあまり痛みがなくて安心したよ。(今は)痛みというより違和感に近いね」と回復に向かっていることを強調する。

 ここで重要になるのがピッチの状態。ユアスタでは3日に高校サッカーが2試合、4日にレディースのシーズン最終戦が行われた。さらに試合前日の仙台市内は強い雨。ただでさえ荒れている芝が、滑りやすくなっている可能性もある。ウイルソンも「少しでも早くなじめるよう、アップでピッチを確認しないといけない」と警戒を強めた。

 2試合の出場停止にリーチがかかっているイエローカードについては「集中して、もらうようなプレーに巻き込まれないよう注意する」と宣言。優勝争いの重圧に加え、さまざまな不安要素との戦いになるが「試合に入ったらケガやピッチのことは考えず、勝つことに集中する」と、プロの心意気を見せた。【亀山泰宏】