クラブW杯が今日6日、横浜国際総合競技場で開幕する。Jリーグ王者の広島は、オセアニア代表オークランド(ニュージーランド)と開幕戦で対戦。5日は冒頭15分以外は非公開で最終調整を行った。その後の公式会見では外国メディアから「アマチュアクラブと戦ったことはあるか?

 結果は?」の質問。9月の天皇杯2回戦で地域リーグFC今治に敗れた記憶をほじくり返され、森保一監督(44)FW佐藤寿人(30)は、悪夢を繰り返さぬよう気を引き締め直した。

 笑顔だった森保監督の目尻が少しだけ、つりあがった。外国人メディアから「アマチュアクラブと戦ったことはあるか?

 結果は?」の質問。苦笑いしながら応戦した。「今の質問は、明らかに我々の状況を知っていての質問ですよね」。9月8日の天皇杯2回戦。四国社会人リーグのFC今治に敗れた悪夢がよみがえった。

 熱くなった心を静めるように、ひと呼吸おいて再度口を開いた。「我々は日本の4部にあたるチームに敗戦という結果に終わりました。オークランドがアマチュアクラブだということは認識している。良い選手はたくさんいますし、1度のミス、敗戦から学んだことを国際舞台で生かします」。2度と質問者と目を合わすことはなかった。

 相手クラブにプロ契約をしている選手は数人いる。スペイン人など他国ならばプロ契約できる選手もいる。実力はFC今治以上と、全員が認識している。主将の佐藤は「格下ではない。相手をリスペクトした気持ちで、引き締めてやりたい」。相手分析の映像にはスタジアムではない場所での試合も多い。アマチュアの意識と油断を少しでもなくすため、昨年のクラブW杯で柏と戦った緊張感ある映像に限定して見ていることも明かした。

 この日、約1時間の非公開練習を終え「体調はいいです」と言い切った。「1発目でゴールをしっかり決めて、いいスタートを切りたい」。先制弾で悪夢を取り払う。【鎌田直秀】