川崎FのFW大久保嘉人(30)が、6月のW杯アジア最終予選2試合とコンフェデ杯を控える日本代表にリストアップされていることが19日、明らかになった。11日に等々力競技場で行われた川崎F-C大阪戦をザッケローニ監督(60)が視察。日本協会関係者によると、今季に入り好調を維持する点取り屋のプレーを評価したという。親善試合ブルガリア戦(30日、豊田ス)に向けたメンバー発表は今月下旬の予定。1年3カ月ぶりの代表復帰を果たすかが注目される。

 日本屈指の点取り屋の大久保が、日本代表に復帰する可能性が出てきた。W杯アジア最終予選オーストラリア戦(6月4日、埼玉)、同イラク戦(同11日、ドーハ)、コンフェデ杯(同15日開幕、ブラジル)に臨む代表候補にリストアップされたことが判明した。

 ザッケローニ監督は代表選考において継続的な活躍を重要視する。今季、大久保はリーグ戦出場11試合6得点、ナビスコ杯出場3試合2得点と好調を維持。得点以外の部分でもチームの攻撃の軸となった。ザッケローニ監督が視察した11日のC大阪戦でも大久保は2得点を挙げており、指揮官の眼鏡にかなった形だ。

 今月下旬に、まずは親善試合ブルガリア戦に向けたメンバー発表を控える。日本協会関係者は「既に6月の遠征に臨む可能性のある選手の大枠はリストアップされているし、いろいろな準備も始まっている」と明言。大久保の名前もリストの中に入ってきたという。

 現在、日本代表の前線は豊富なタレントを擁する。W杯出場権がかかるW杯予選2試合やブラジル、イタリアなどと強豪3連戦があるコンフェデ杯には、順調にいけばMF本田(CSKAモスクワ)が復帰する見込み。FW香川(マンチェスターU)、岡崎(シュツットガルト)、清武(ニュルンベルク)、前田(磐田)らが存在感を示しているが、前線も2列目もこなし、得点力も突破力も高レベルにある大久保は戦力になるはずだ。

 本田は6月1日のロシア杯決勝、岡崎は同日にドイツ杯決勝がある。合流はオーストラリア戦前日の同3日になる予定で疲労の蓄積は否めず、前線の厚みは必要だ。大久保は11日のC大阪戦後には「(代表のことは)何も考えずにやりたい。考えるとプレーに影響するから」と無欲を強調。12年2月24日のアイスランド戦以来、代表から遠ざかっているが、実力は本物。代表復帰を果たせるか、注目される。

 ◆大久保嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡・苅田(かんだ)町生まれ。長崎・国見中-国見高。01年にC大阪入り。スペイン1部マジョルカ、C大阪、神戸、ドイツ1部ウォルフスブルク、神戸と渡り歩いて、今季から川崎Fに所属。日本代表で10年W杯出場。国際Aマッチ54試合5得点。家族は夫人と3男。170センチ、73キロ。