みちのくダービーのピッチに、もう1度立つ。J2山形にJFLソニー仙台から完全移籍で加入したFW大久保剛志(27)が14日、天童市内で入団会見を行った。宮城出身のゴールハンターは「ジュニアユースからベガルタにいて、小さい頃からモンテディオは意識していた。近い将来、仙台とやることを目標に頑張る」とJ1復帰を誓った。

 新人時代の記憶が、鮮明に残っている。05年5月4日の山形戦。1万9128人の大観衆の中で後半37分から出場した。プロ2試合目で「雰囲気に鳥肌が立って、感動したことを覚えている」と振り返る。通算4シーズン仙台に在籍したが、Jでの公式戦出場は05年の4試合だけ。悔しさを胸に今季JFLで12得点と結果を残し、再びチャンスをつかんだ苦労人は「ずっと目指してきた舞台。山形とソニーには感謝している」と喜びをかみしめた。

 仙台時代のチームメートだった同じFWの中島、万代とは7日から練習参加した際に食事に行った。厳しい競争が待っているが「体にキレがあるし、ゴールを決める自信もある」と力を込めた。プレーオフ進出圏内の6位まで勝ち点9差。残り14試合、大久保が救世主になる可能性は十分にある。【鹿野雄太】

 ◆大久保剛志(おおくぼ・ごうし)1986年(昭61)6月14日、宮城県生まれ。岩沼西スポーツ少年団、仙台ジュニアユース、仙台ユースを経て05年にJ2仙台に入団。08年にソニー仙台へ期限付き移籍し、11年に仙台復帰。12年に再びソニー仙台へ移籍。家族は夫人と1男。171センチ、65キロ。血液型A。