「ハマのメッシ」の一撃で“全会場制覇”を成し遂げる。首位横浜は今日31日、アウェー大宮戦に臨む。リーグでいまだ白星がないNACK5スタジアムで勝てば、史上2クラブ目となる全アウェー会場での勝利を達成する。30日は横浜市内で練習し、9月6日グアテマラ戦(長居)、同10日ガーナ戦(日産ス)に臨むザックジャパンに招集されたFW斎藤学(23)が鬼門のゴールをこじ開けることを誓った。

 炎天下で、斎藤はボールに視線を落とし、左右交互の足で蹴って感覚を養った。気持ち良く代表に合流するためにも、勝ちたい大事な一戦。相手は8連敗中の大宮だが、気を緩めるつもりはない。「逆に難しい試合になると思う。自分のプレーでいい流れに持っていきたい」と、額の汗をぬぐいながら言った。

 チームは会場のNACKで、リーグ戦で使用が開始された07年以降、大宮相手に通算4分け1敗と、1度も勝てていない。今日、初勝利を挙げれば、J1では清水に続いて史上2チーム目となる全アウェー会場の制覇クラブとなり、勝利を記録した会場数も単独トップの48となる。

 斎藤にとって、大宮は今年7月13日のリーグ戦(日産ス)で驚異の「4人抜きゴール」を決めた相手。この得点は月間ベストゴールにも選ばれ「イメージは良い」と自信を見せた。チームも、決してNACKに苦手意識はない。09年にはナビスコ杯で勝ち星を挙げている。ピッチとベンチの距離が近く、指示が通りやすいこともあり、樋口監督は「うちはやりやすいと思う」と期待した。

 斎藤は7月の東アジア杯で代表初ゴールを決めたが、その後は右足首痛による離脱もあり、得点はない。「Jに戻ってきてからは何もしてない。リーグでは今年まだ3点しか決めてないんで、その悔しさも晴らしたい」。クラブを代表して日の丸を背負う前に、得意のドリブル突破でチームに勲章をもたらす。【由本裕貴】

 ◆J1の勝利会場数

 現在、横浜と鹿島が最多タイの47会場。これに清水、広島が46会場で続く。横浜はホームが三ツ沢(現ニッパ球)、日産スと2会場あり、地方開催でも勝っていることから清水より多い。07年には当時J1の横浜FCにアウェーで0-1で負けたが、会場は三ツ沢だった。“全会場制覇”にはJ1在籍期間の短いクラブとのアウェー戦に勝てているかが重要となるが、横浜も清水も、鳥栖戦(ベアスタ)などで既に白星を挙げている。