J2札幌の財前恵一監督(45)の来季続投が28日、決まった。クラブ側と2度にわたり来季構想の擦り合わせ作業を行い、同監督がクラブ方針に合意。札幌からの続投オファーを受諾した。今後、条件面などを詰め正式発表となる。

 道産子監督が2年連続で指揮を執ることが決まった。三上大勝GM(42)は「クラブ側の補強や、来季の戦力構想について監督に提示して、了解をいただいた」と話した。26日と、この日の2回、同GMが札幌市内で財前監督と面談し、来季以降のクラブビジョンと残留戦力、今後の補強プランなどを提示。指揮官もクラブの方向性に賛同し、続投を決意した。

 クラブからは来季J1の場合、J2の場合と両プランが提示された。主将の河合、チーム得点王内村、ボランチ上里ら複数の中心選手の残留が確定していることもプラス材料になった。金銭面に関して詰めの作業を残すが、財前監督はチーム構想に対する、クラブと自分の考えの擦り合わせを続投のポイントに挙げていた。両者の意見が合致したことで、年俸等の条件交渉もスムーズに進みそうだ。

 2年目にかけるクラブの期待値は高い。J監督1年目。しかも降格余波で昨オフにMF山本、DF岩沼ら主力を大量放出した中でチームをつくり、34試合を消化して勝ち点51。プレーオフ圏に4差の7位につけている。さらに人もボールも動き、パスで崩すサッカーが徐々に浸透し、最近5試合12得点と攻撃力が格段に上がっており、継続した指揮でチーム力のさらなる向上を目指す。

 今日29日の熊本戦からの残り8試合に向け、同監督は「ここからは勝つために、いろんなことをしていきたい」と意気込んだ。まず初年度でプレーオフ進出を果たし、目標のJ1定着に向けた1歩を踏み出す。