清水のDF吉田豊(23)が次節磐田戦で7試合ぶりに先発することが23日、濃厚となった。前節鳥栖戦で左サイドバックを務めるMF河井陽介(24)が退場で、磐田戦は出場停止になる。今週の練習から同位置には吉田が入り調整しており、リーグ終盤で、定位置奪還のチャンスが巡ってきた。

 吉田は、開幕大宮戦からここまで21試合に先発出場。主力としてチームに貢献してきた。しかし、第23節鹿島戦で失点の原因となると、出場機会が激減。ベンチを温める日々が続いた。それでも「いつ出番がきてもいいように、パフォーマンスを落とさないことを考えていた」。腐らずに黙々と練習に励み、守備固めとして途中出場した27節甲府戦では反撃の芽を寸断。前節鳥栖戦では、6-4の逃げ切りに貢献するだけでなく、FW伊藤翔(25)のダメ押し点の起点となった。

 コンディションの良さを証明するかのように、この日行われた9対9のゲームでも、正確なクロスでFWラドンチッチ(30)の得点をアシスト。吉田自身も「順調に準備はできている」と、手応えを口にする。

 先発復帰戦の舞台は「静岡ダービー」。結果次第では、宿敵の降格が決まる可能性もある。守備陣としても12戦ぶりの完封の懸かる一戦で、吉田は「今は攻撃陣が好調で点も取れているので、完封できれば勝てる。状況が状況だし、気持ちも高まっている。チャンスをもらえたら、思い切りやるだけです」と語気を強めた。【前田和哉】