シャムスカ新監督(48)が指揮するJ2磐田が20日、磐田市内で始動した。コミュニケーションを重視する同監督は円陣で「練習では笑顔」と伝え、ピッチでも笑顔が咲く明るい雰囲気で初日を終えた。3月2日の開幕戦は札幌戦(ホーム)に決定し、新生ジュビロが明るいスタートを切った。

 シャムスカ監督はまず、選手にコミュニケーションの重要性を訴えた。円陣で「練習に入るときは必ず笑顔で。サッカーはまじめなスポーツではありますが、それと同時に芸術的なスポーツでもある。グラウンド外で、必ず絆を深めるように」と伝えた。

 1年でJ1に昇格するためにはチームのまとまりが不可欠だ。この日は、フィジカルコーチのカルロス氏が「きついメニューの中でも、元気とコミュニケーションが生まれるように」と、MF松井とDF駒野、FW前田とDF菅沼など、仲のいい選手をコンビにして、トレーニングを行った。監督やカルロス氏が選手に積極的に声をかけ、松井が有言実行通りに親友の駒野をいじるなど、笑顔があふれる現場を生み出した。サポーターからも「去年の100倍も明るい。この雰囲気なら優勝は間違いない」と期待の声が上がったほどだった。

 シャムスカ監督は「サッカーは芸術。自分が殻に閉じこもっていては、いい芸術は見せられない。日本に初めて来たとき、いい選手、いい環境はあるのに、恥ずかしがり屋が多いと感じた」と振り返る。続けて「プライベート部分を含めたコミュニケーションを取ることで、選手は必ず応えてくれる。みんなが発言するように促し、そうすることで信頼関係が生まれてくる。これから、もっと明るくなってくると思います」と自信を見せた。

 戦術練習は今月末に始まる鹿児島キャンプからになるが「基本的に4バック」と考えを明かした。大分では堅守のチームをつくったが「大分はできるだけ上位にいくことが目標だった。でもここでは僕たちは優勝しなくてはいけない。目標も違うので戦い方が違ってくる」と力強い。常勝軍団に向けて、イケメン監督はスタッフとともに初日から最高の雰囲気を醸し出した。【岩田千代巳】