C大阪が、獲得オファーを出していたブラジル・インテルナシオナルのウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)と、合意に達した。23日にフォルランが自身のツイッターで明かし、同日、C大阪の岡野社長も認めた。契約期間は今年12月まで。推定年俸はJリーグ史上最高額となる約3億4650万円(330万ドル)。背番号は10になる見通しで、近日中に来日し、チームに合流する予定。

 前回W杯でMVPと得点王を獲得した世界的ストライカーのJリーグ入りが決まった。フォルランが、かつて日本でプレーした歴代のW杯得点王3人を上回る超高額オファーにサイン。Jリーグでは久々の超大物助っ人として、近日中に来日する。

 年俸3億円だったリネカーをも上回る破格のオファーを出してまで、フォルランを獲得した理由について、C大阪の岡野社長は「(FW柿谷)曜一朗に(得点能力が高くゴールへの執着心が強いウルグアイ代表FW)スアレスのような選手になってほしいと思って考えた時に(代表でスアレスとコンビを組むフォルランが)一番パートナーとして最高だと思った」と説明。昨年8月のウルグアイ戦を観戦し、獲得を決意したという。

 ポポビッチ監督は「若い選手が多いので、彼の経験、クオリティーは大きなプラス。サッカーだけでなく、人間として見本になってほしい」と期待。日本代表MF山口も「左右で蹴れるし、FKも蹴れる。得点源としてかなり期待できると思う。ただ、皆がやすやすとポジションを渡すわけではない。チームの競争が激しくなればいい」と歓迎した。

 一方、日本代表FW柿谷は「ヤバいって。ポジションかぶってるんで(自分は)ベンチやし。だから今からしっかりアピールしないと。ピリピリしてんねん」と、ジョークを交えながらも、気を引き締めた。

 C大阪は昨年、柿谷効果でクラブ史上最多となる観客動員約32万人を記録。今年はホーム長居で4万人の集客を目指す予定で、フォルランを最大の目玉に、さらなる集客&スポンサー増、そしてクラブ史上初タイトル獲得を狙う。【福岡吉央】

 ◆過去のJリーグ主な高額年俸選手

 Jリーグ創設当初は世界的スターが続々と来日し、94年には、ジーコ(鹿島)が年俸1億8000万円、リトバルスキー(市原=現千葉)が1億5000万円でプレー。96年にはドゥンガ(磐田)が1億6000万円を稼いだ。00年にはストイコビッチ(名古屋)が1億5000万円でプレー。近年では04年にイルハン(神戸)が2億1000万円で契約した。日本人では94年の三浦知良(V川崎=現東京V)の2億4000万円、ラモス瑠偉(V川崎)の1億5000万円などが高額。(金額は推定)。