清水は鹿児島キャンプ9日目の10日、昨季アジア・チャンピオンズリーグ準Vで韓国KリーグのFCソウルと練習試合(45分×3本)を行い、3-1で勝利した。主力組で臨んだ90分間も1-0で完封勝利。鹿児島最後の実戦を白星で飾ったアフシン・ゴトビ監督(50)は「アジアの強豪を倒すことを考えてやってきた。勝てたことは次につながる。チームは正しい方向に進めている」とうなずいた。

 勝利の立役者は絶好調のFW長沢駿(25)だった。0-0で迎えた2本目の15分からピッチに立つと、同28分。相手のクリアボールを拾ったFW大前元紀(24)が、DF吉田豊(23)へボールを落とす。きれいな弧を描いたクロスを長沢が豪快に頭でたたき、ネットを揺らした。「相手がブロックを作っていたので外からの攻撃がチャンスにつながると思っていた」。7日のJ2京都戦から2戦連続となる、狙い通りの今季“4点目”が決勝点となった。

 1月31日の大田韓国水力原子力戦で今季“初ゴール”から、これで5試合4得点と大爆発。それでも長沢は「まだまだミスも多いし、周りとの連係も高めていきたい。そうすればもっと点を取れると思う。一番の課題は、チームのために結果を残し続けていくこと」と、視線を先に向ける。3年間に及ぶJ2での武者修行を終えたストライカーが、飛躍の予感を漂わせている。【前田和哉】