<ナビスコ杯:仙台1-1東京>◇1次リーグ◇2日◇ユアスタ
仙台がホームで東京と引き分け、今季公式戦7試合勝ちなしとなった。前半からFW武藤雄樹(25)とウイルソン(29)を中心に攻め立て、後半17分にCKからDF鎌田次郎(28)が頭で合わせて先制。リーグ甲府戦に続いてリードを奪いながら、同32分にPKを献上して追いつかれた。
トンネルの出口は見えかけていた。序盤から2トップを中心に躍動感ある攻撃を見せ、3月29日のリーグ甲府戦と同様にセットプレーから先制。その後も決定機を迎えながら決めきれずに追いつかれたが、アーノルド監督は「2-0、3-0にできた試合。感触としては初勝利に近づいている」と手応えを口にした。
勝利への執念はプレーにも表れていた。自信を失いかけていた選手たちを奮い立たせたのは、大ケガを負った仲間だった。甲府戦で石川大が左アキレス腱(けん)を負傷。流通経大の後輩で、アンケートの「仲の良い選手」にお互いの名前を挙げるほど普段から一緒に過ごす時間の長い武藤は言う。「もう(ケガの状況が)ヤバイってわかってるのに、試合後のロッカールームで誰よりも明るく振る舞ってて…。ノリさん(石川大)のためにも頑張らないと」。交代するまで、足が動かなくなっても全力で走り続けた。
今季絶望になるかもしれないムードメーカーを、これ以上不安にさせるわけにはいかない-。思いを1つに初勝利だけを目指した。後半17分に頭で先制点を決め、ガッツポーズを見せた流通経大出身の守備の要・鎌田は「得点はチームの力になる。1つ決められて良かった」。気迫では相手を確実に上回っていた。
新たな希望の光も見えた。後半途中からプロ初出場を果たした新人FW山本が前線で動き回って決定機を演出。送り出した指揮官も「納得できるプレーを見せてくれた」と22歳の若武者を高く評価した。ともに移籍後初先発となった武井、鈴木の両サイドバックも随所で持ち味を発揮して存在感を示した。あとは、前進している内容を結果に変えるだけだ。【鹿野雄太】



