<J2:山形2-0愛媛>◇第6節◇5日◇NDスタ

 山形は愛媛に快勝し、今季初の完封勝ちで2勝2分け2敗の勝率5割に戻した。セットプレーで2得点。プレースキッカーのボランチ宮阪政樹(24)が先制FKと右CKから2点目も演出し、前日4日に初孫が誕生した石崎信弘監督(56)に「ゆりかごダンス」をプレゼントした。

 開始6分、山形応援席が歓喜に沸いた。敵ゴール正面でドリブル突破を試みた1トップ川西が、ゴールエリア直前で相手ファウルを誘って直接FKを獲得。キックの名手、宮阪がゴール左上に先制弾をたたき込んだ。ゴール後はベンチ前に全員で駆け寄り、初孫が誕生した石崎監督の前で「ゆりかごダンス」を披露。宮阪は「怒られるかなと思ったけれど、実現できてよかった」と今季初ゴールに笑顔を見せた。

 ゲームキャプテンとして活躍は終わらなかった。後半19分には左CKからDF當間の今季初ゴールも演出した。この日、チームCK10本中1本をゴールに結びつけた宮阪は「それまでニアに蹴っていたので、當間に『1本ファーにくれ』と言われていた。あの1点が効いた」と振り返った。

 前日、長男夫婦に第1子の男の子が誕生し、「おじいちゃん」になった石崎監督は「ゴール前のドリブルがあってファウルをもらえた。あの位置なら高い確率で決める」と川西と宮阪を評価。「(ゆりかごダンスは)一緒にやろうと言われてやれなかったが、全員でパフォーマンスをやってくれた。私事ですが孫にもいいプレゼントができたかな」と感謝した。

 宮阪は、ダブルボランチの一翼として今季初完封勝利にも貢献した。前節ホーム水戸(3月30日)も無失点だったが、雨の中、思い通りのプレーが出来ずに引き分けた。宮阪は「3月は負け越したが、4月は新たな気持ちで連勝できるように頑張りたい」と再スタートを誓った。【佐々木雄高】