14番の堅守&ゴールで17年ぶりの4月連続完封勝利を狙う。J2札幌は今日13日、敵地大分銀行ドームで大分と対戦する。チームで唯一、全試合フル出場中のDF上原慎也(27)は、攻撃では3試合ぶり得点、守備では今季初の連続完封を目標に掲げた。昨季はチーム6度の連勝のうち4度が、自身のゴールが絡んだもの。不動のサイドバックとして攻守で勝利に貢献し、初の連勝を呼び込む。

 ツインタワーをおとりに今季初の“ちゅらヘッド”を狙う。大分戦に向け、上原慎は「高い選手が増えるとマークも集中しなくなる。周りも生かしてゴールに絡みたい」と意気込んだ。今回は192センチのパウロン、187センチの都倉の2人が初めて同時先発する。長身選手が増え、相手DFの目が離れる隙に、故郷沖縄仕込みの弾丸ヘッドを見舞う。

 チームを勢いづかせる「連勝請負人」としての役目を担う。昨年4月14日の徳島戦ではホーム初勝利となる決勝ヘッドを決め、次の鳥取戦で2連勝した。昨季チームの6度の連勝のうち4度に絡んでいるのは17点を挙げたチーム得点王内村と上原慎のみ。エース級のムードメーカーとして「今季は連勝がないが、続けて結果を出せば勢いに乗れる」と、当然連勝を意識する。

 守備では今季初の連続完封を狙う。今季3勝はすべて完封勝利も、完封した後の試合はすべて失点を許している。「3月はいい成績できたが他にも勝てる試合はあった。4月はしっかり連勝スタートでいきたい」。4月に連続完封勝利を挙げたのは97年以来ない。現在リーグ3位の6戦4失点と上々。この時期にベースとなるDF陣を安定させ、J1昇格への武器にする。

 唯一の全6試合連続フル出場でも、慢心はない。目指すは07年にDF西嶋が達成した開幕27試合フル出場のクラブ記録だ。「西嶋さんがそれだけ出られたのは、信頼されていたから。僕はまだそこまで至っていない。1試合1試合堅実にプレーして信頼を重ねることで記録を目指せれば」。攻守で結果を出し続け、地道に大記録をたぐり寄せる。【永野高輔】