<ACL:広島1-0セントラルコースト>◇1次リーグF組◇23日◇Eスタ

 広島が三度目の正直で初の決勝T進出を果たした。主役はまたもこの男だった。後半27分、日本代表候補のDF塩谷司(25)の放ったFKが、MF山岸に当たって先制。当初は塩谷の得点と場内の電光掲示板に記されたが、山岸に訂正された。それでも今季公式戦6得点の塩谷は「ミスキック。蹴る方向は合っていたけど、もう少し速いボールを蹴ろうと思っていた。打った瞬間は入らないと思った」と照れた。

 初のベスト16に進んだ森保監督は「若手だけでなく、経験ある選手も含め全ての選手が成長している。チームの総合力が上がったという手応えもつかめている。選手たちも自信をつけてくれたと思う」。昨年3敗3分けに終わった1次リーグでリベンジした。

 決勝Tに進むにはこの試合での勝利が絶対条件だった。だがFW佐藤やMF森崎和ら主力が欠場。J1新潟戦から中2日のため疲労を考慮して出場させなかった。「直前までこれで良かったのかという思いもあった。勇気のいることだった」と森保監督。2連覇中のJ1王者がアジア制覇を掲げた今季。チームの総合力アップで目標へ確実に前進した。【辻敦子】