ホーム初勝利は総力戦で奪う。仙台は今日29日、川崎Fを迎え撃つ。中2日で迎える4連戦の折り返しを前に、前節清水戦の開始直前に腰痛で出場を回避したDF鎌田と、右足付け根を痛めたFWウイルソンが別メニュー調整。主力2人の欠場が濃厚となったが、渡辺晋監督(40)は「出場機会に恵まれていなくても好調な選手がいる」。28日の紅白戦で主力組に入ったFW武藤とMF武井がスタメン出場する可能性が高まった。

 満身創痍(そうい)の状況でも、強力攻撃陣を封じる秘策がある。昨年8月の対戦(2-1)で機能した4-3-3システムを、紅白戦の2本目で試した。川崎Fのパス数は、3割近くが中村と大島のダブルボランチからの供給。相手の“心臓”を止める役割を託される武井は「(中盤の)前の2人で取りに行っても、1人余っていればリスク管理できる」と手応えを口にした。

 武藤も得点力不足のチームを救うべく闘志を燃やす。左かかと痛で前日27日の練習を回避したが「弱音を吐いている場合じゃない」。この日、2度の右膝手術から復活を目指すDF上本が紅白戦にフル出場。強敵から勝利をつかめば、苦しむ仙台にさらなる光が差し込む。【鹿野雄太】