<J2:東京V0-1岐阜>◇第11節◇3日◇国立

 国立ラストマッチに、岐阜のラモス瑠偉監督(57)が燃えた。ラモス監督は、国立最後のJ2公式戦で古巣東京Vと対戦。FW難波宏明(31)のゴールで勝ったものの、内容の悪さに怒りをぶちまけた。「神様がすむ」という聖地への思いを熱く語った。

 「最悪。ひどすぎる」。顔を紅潮させて、ラモス監督が声を荒らげた。GK川口やDF三都主らが1点を守って勝利。それでも、ともにミスを連発し、シュートも6本ずつというお粗末な内容に「みんないいプレーを見せたくて、空回りが多かった」と吐き捨てた。

 国立への思いは誰よりも熱い。「数々の思い出がある」と言って、釜本引退試合(84年)キリン杯初優勝(91年)アジア・アフリカ選手権(93年)Jリーグチャンピオンシップ(94年)などを次々と挙げた。「これだけタイトルをとった人間は、私以外にいないんじゃないかな」と話した。

 この日朝、1人国立に来て「ピッチにいる神様」に祈った。「今日は奥さんも来てくれた。でも、つまらない試合だから途中で天国に帰ったよ」と話すラモス監督のIDの裏には、11年に亡くなった初音夫人の写真があった。「内容のいい試合をしたかった。1-0より3-3がよかった。ヤス(東京V三浦監督)も同じだと思う」。そう言ってラモス監督は思い出の詰まった国立を後にした。